うちの子は発達障害?

シングルマザーの私、まるには息子が一人。今小学2年生です。大好きな息子だし、毎日親子二人三脚でがんばって暮らしています。毎日バタバタして忙しいけれど生活は軌道に乗ったし、楽しくやっています。

そんな我が家ですが、実は大きな心配事が。それは息子の心の発達について。今回はこれまでの我が家の歩みと、これからをまとめます。

目次

息子には多動の傾向がある

私の息子は、一見して何か特徴があるということはないのですが、落ち着きが足りないところがあります。顕著ではないけれど、多動の傾向にあるなとずっと感じてきました。

感情のコントロールができず、泣きわめき続ける

息子は感情のコントロールが苦手です

息子は嬉しいときも悲しいときも、嫌なことがあったときも感情をコントロールすることがとても苦手。嬉しいときにはずっとはしゃぎ続けてしまうし、我慢できないほどの怒りを感じると、大声で泣きわめいて、床に転がりジタバタして、取り付く島もない状態になることが3歳から5歳くらいにすごく頻繁にありました。6歳でも回数こそ減ったものの、たまに爆発してしまうことがあって、そうなると保育園の先生がどんな声をかけてくれても聞く耳を持てず、平気で1時間近く泣き続ける子でした。

特に怒りの感情が抑えられないときには、椅子を投げようとしたり、周りに危害が及ぶようなことをしようとする時期があり、毎日保育園に迎えに行くときに緊張したものでした。

黙ってまっすぐ座っていることが苦手

加えて、ただまっすぐに座っているということができなくて、椅子をグラグラさせたり何度も座りなおしたり、横を向いてしまったりと、落ち着きのなさが目立ちました。

ただまっすぐ座れないというのは、集中できている時にはちゃんと座れているのに、先生のお話を聞いたり、静かにしていないといけないような時間には座ってしばらくするとフラフラ動き出してしまう、というように、いつでも絶対に座っていられないのではなく、「座っていることが仕事」みたいなときにそれができないんです。

好きなことでは驚きの集中力を見せる

そんな傾向のある息子ですが、本を読んだり歌を暗記したり、好きなことには抜群の集中力と才能を発揮するんです。毎日一緒にいるのに、「そんなこといつ覚えた!?」みたいなことをサラッと言ってのけたり、お遊戯会のセリフ覚えがクラスで一番早かったりと、大人を驚かせることもしばしば。そしてそんなときはちゃんと椅子にも座っていられるんですよ。

耳からの情報を処理するのが下手

息子は音声だけの情報を頭で処理するのが苦手です。例えば、小学校の帰りの時間に先生が「明日はぞうきんを持ってきてくださいね」とクラスに呼びかけたとして、大体の場合、息子はそれを覚えていられません。楽しい情報は聞こえているのに、聞かないといけないことは聞こえていない。困ったものです。

学力には問題が見られず、クラスでも勉強はできる方

息子はテストを受ければ大体の場合は満点に近い点数を取ってきますし、宿題の音読や計算問題もその理解力に不安を感じることはありません。授業中も落ち着きがないわりに手を挙げて発言したりはできるそうで、心の発達と学力は連動していないのかもしれないなと感じています。

大きくなるごとに落ち着いてきた

発達グレーゾーンの息子ですが、一番荒れていると感じたのは保育園の年中さん時代。そこをピークとして、年を重ねるごとに少しずつ成長も見られ、落ち着いてきているなと感じています。

例えば、前なら気に入らないことがあったとき、延々とわめき散らしながら泣き続けましたが、わめく時間が短くなり、なぜ気に入らないのかを話して説明できるようになり、やがて泣かなくても解決できることが増えました。

特に小学校に入ってからは成長著しく、我慢が効くようになってきているなと感じることも増えてきました。

小学校入学前の準備

保育園時代に発達の心配をしていた私は、このまま小学校に行って大丈夫なのかとずっと心配していました。そこで、住まいのある地域の行政が運営している施設で相談をさせてもらっていました。

行政が運営している機関で発達のテストを受けた

行政の運営する発達相談センターで何回かの面談を重ね、発達診断のテストも受けてみました。結果は「学校との連携が必要」や、「授業の運営に工夫が必要」といったもので、「発達障害です」もしくは「発達障害ではありません」と明言してくれる類のものではありませんでした。

だけれど、心理士という資格を持った人が息子と何度か接してくれて、どんな風にかかわるのがいいのかなど、いくつかのアドバイスをもらうことはできました。

学校との連携用ファイルを作成してもらった

発達相談センターでの相談を経て、センターの方が作成してくれた息子に関する資料をファイルにまとめて、小学校との連携用ファイルを作ってくれました。このファイルは行政で作成を公式に謳っているもので、就学前に作成して学校での生活をスムーズに始めてもらうためのもの。

我が家もそのファイルを小学校に提出して、連携を密にしようと、小学校入学前の2月に個別面談を申し込みました。

入学前に小学校と個別面談をしてもらった

小学校での入学前の面談は教頭先生がしてくれました。2月はまだ表向き担任が決まっていませんので教頭先生が対応してくれて、担任が決まったら引継ぎをしてくれることになったんです。

小学校入学後、うまくいかなかったこと

そのようにして準備していたのですが、いざ小学校に入学して数か月たったころ、担任の先生から息子の態度や授業中の落ち着きのなさについて手紙をもらうようになりました。

連携用ファイルを担任教師に読んでもらえなかった

連携ファイルを提出したからといって、息子の発達具合が変化するわけではありませんから、何かしらあるだろうとは思っていました。でも、担任の先生からのお手紙はちょっと様子がおかしかったんです。

連携ファイルを読んでいたら聞いてこないようなことを聞いてくる。これはおかしい。そう思って返事を出しても、それに対しての担任からのリアクションはなくなってしまったりして。先生方はクラス全体を見ているわけだし、我が家ばかりが返事をもらおうというのがいけないのかしら?と、腑に落ちない気持ちを持ちながらも1学期を終えました。

2学期に入って個人面談があり、そこで改めて聞いてみたんです。連携ファイルを読んでくださっていますか?と。そしたら、担任の先生からの返答はこう。

「そんなものは聞いたことがない。読んでいません。今からも読みません。自分のフィーリングで接していきたいので」。

正直とってもショックでした。何のために1年以上かけて準備をしたのか?入学してからの息子のいくつかの問題は、担任がちゃんとファイルを読んでくれていたら避けられたようなことだったのに、どうして対応してくれなかったのか?そして改めてファイルを見ることを拒まれてしまったのは何故なのか?

どうしたらいいか、一人で悶々としてしまった

憤りを感じましたが、小学校の担任て、1年生と2年生で同じ先生になることが多いですよね。そこでクレームを言ったりして、それ以降の息子の学校生活に不利になるようなことになってもいけないと思うと、即座に担任の先生に対して異を唱えることができませんでした。

そこからどうしたらいいのか、誰にも相談できず時間ばかりが過ぎてしまったんです。

今思えば、何かアクションを起こしたほうがよかったと思います。でも、息子が成長とともに少しずつ落ち着いてきていたことで、「私がもっと頑張って息子を支えればいいのではないか?」と気持ちを内に向けてしまいました。息子のことでクラスの子たちにも迷惑をかけている。そんな後ろめたさが、強気な対応をできなくさせた部分もありました。

私が辛かったこと

そんな風に、せっかく勇気を出して準備した小学校との連携ファイルが機能しなかったことで、私は心のより所を失ったような気持ちになりました。それがとても辛かった。

息子は人と違うかもしれないという気持ちをずっと持っていた

離婚して、実家ともほぼ縁を切ったことで、子育てについて相談できる肉親がいなかった私は、息子が人と違う特徴を持った子なのかもしれない、という気持ちをずっと心の中で持っているのにも関わらず、それをどこで吐き出せばいいのか分からないまま日々を過ごしてしまいました。

本当はちゃんと調べて、然るべきところに相談した方がいいのでは?という気持ちはもちろんありました。でも、「発達障害と診断されたら、息子の将来に何かビハインドになることがあるのかな?」といった、漠然とした不安があって、その不安を人に話せず、結果相談に行く決心をすることがどうしてもできなかったんです。

保育園時代、保護者面談のたびにボロカスに言われるのが怖かった

保育園時代の個人面談が怖かった私。

保育園時代、半年に一度保護者面談があったんですが、そのたびに担任の先生から息子の「ほかのこと違う、できていないこと」を沢山聞かされました。先生方も息子に扱いづらさを感じていたでしょうし、仕方ないと思っていました。でも、先生が水を得た魚のようなイキイキとした顔で「あれもできません」「これもできません」「こんなのも酷かったんですよぉ~!」と前のめりに語るのを、唇を噛んでこらえながら聞くのは毎回本当に嫌でした。

とある保護者面談で、いつもと同じように先生から息子のダメ出しオンパレードを聞いている中で、初めて「発達に問題があるのでしょうか?」「行政の発達センターに相談に行った方がいいでしょうか?」と聞いてみたことがあります。先生はこう言いました。

「私は発達のプロではないので分かりません。」

「お母さんが発達について心配ということなんでしたら発達センターのスタッフに連絡しますね。」

どういうことか分かりますか?あれだけ「おかしい」「おかしい」と言葉を荒げた先生にいざ頼ってみたら、速攻で拒絶されてしまったんです。きっと、保育園にもコンプライアンスが存在しているんでしょう。そんな感じの返答でした。「私たちは決してあなたのお子さんを発達障害とは言っていませんよ。でも、お母さんが気になるということなので、発達センターに連絡しましょうね。」ということです。

すっかり臆病になってしまった

このことがあってから、私はすっかり先生が苦手になりました。必要なことは伝えるけれど、できるだけ先生とは関わらないようになりました。信用できないと思ったし、頼れる存在ではないということが痛いほど分かりましたから。

私たち親子が踏み出した一歩と、踏み出せた理由

そんな風に、すっかりビビりきって縮み上がってしまった私ですが、息子が小学校2年生になった今、再び動き出すことができました。何をしたか?そして、どうしてもう一度動き出すことができたのか?それはこうです。

発達の相談で病院にかかってみた

息子は、発達センターの方からの評価で見ても、直ちに発達障害と判断されるような状態ではありませんでした。加えて、先に述べた通り病院にかかって発達障害だと診断されることで、何か悪いことが怒ったりしないか?という漠然とした不安を持っていたこともあって、これまで病院で診察を受けるという選択肢は採用してきませんでした。でも今回、思い切って病院に行ってみたんです。

病院の先生からの評価も、「そうねえ、この年齢のいわゆる落ち着きのない子という感じで、病的な感じはしないなあ。これから3年生、4年生と大きくなる中で、気にならなくなっていく範疇かと思いますよ。病院よりも、学校との連携を強化したほうがよさそうですよ。」と、親の私が感じていることと同じだったのがすごく安心につながりました。

担任教師に手紙を書いた

病院の先生からそのようにアドバイス頂いて、すぐに担任の先生に手紙を書きました。実は、本来はあまり変わることのない1~2年生の担任ですが、偶然の人事異動があって、2年生の担任の先生は1年生の時と別の先生になったんです。先生が変わっているならという淡い期待を抱いて、ことのあらましをまとめて息子に持たせました。

担任教師がすぐに個人面談をしてくれた

すると、今年度の担任の先生は、すぐに返事をくれ、さらにすぐに個人面談を設定してくれました。迅速な対応に感動しました。しかも、その先生は、去年の担任の先生が読むことを拒否した連携ファイルを予め読んでいたこと、それを参考に授業も進めていることなどを、個人面談の前にお手紙にしてくれました。本当にありがたかったです。

個人面談では、これまでの面談で経験してきたような、先生からのダメ出し大会ではなく、息子の得意なこと、苦手なこと、連携ファイルを読んで取り組んでくれていることなどを教えてもらい、今後の指導についても具体的に相談させてもらうことができました。これまでに経験した息子の面談の中で一番安心できるものになりました。

自分一人では病院に行く決心はできなかったかもしれない

こうして一歩をまた踏み出すことができた我が家ですが、一人で踏み出せたかというとそうではありませんでした。

背中を押してくれたものは友人の助言と励まし

背中を押してくれたのは、リアルではなくSNSのお友達でした

同じように発達障害を疑った経験や、相談した経験や、それらを経てお子さんが伸び伸びと過ごせるようになったという体験の話を聞いて、私もそれに倣って動いてみようと思えたんです。相変わらずリアルでは発達障害について相談できそうな知人のいない私に助け船を出してくれたのは、SNSのお友達。同じように悩む気持ちに共感の声を寄せてくれた人も。

こういったトピックは、何となくリアルで相談しないといけないような思い込みをしていたのかもしれません。それが崩れて、肩の力を抜くことができたことで、ダメもとで病院行ってみよう!という気持ちになれたんです。

発達グレーゾーンの子供を持つシンママに必要なのは、情報と対話

息子の成長が心配だけれど、打ちのめされて縮こまってしまっていた私。もう一度奮い立って動き出すのには、頑張ってうまくいったという情報や、人とのコミュニケーションが必要でした。

孤独であることが一番の毒

保育園時代の個人面談ですっかり先生に対して不信感を持ってしまった私。不信感を持ってしまって担任の先生に近づかないようにした結果、私を待っていたのは、孤独。情報を得る機会を自ら放棄してしまっていたかもしれません。

孤独は、子育てに悩む親にとっては一番の毒。子育ては初めての連続なんだから、一人で抱え込んでいても解決にはつながらない。先輩たちの体験談を聞いたり、アドバイスをもらったり、自分の苦しい気持ちを聞いてもらったり、そうゆう心の栄養がないことには、すぐに失速して動けなくなってしまう。私はそうして動けなくなってしまったんです。

人を頼ろう、弱音を吐こう

私はこれからもこれまでと同じように悩むでしょう。それに、また息子は必ず問題を起こします。それを聞いて私は夜中に一人落ち込むと思います。その時、今度はだれかに話してみようと思います。友達に言いづらいことだったら、それこそ行政の無料相談に電話してもいいし、いよいよの時はYahoo!知恵袋にでも書き込んでみようかしら。

そう。どんな方法でもいい。どんな方法でもいいから、他者との関わりを持って、頼る、弱音を吐くことに対して臆さずにいようと思います。

まとめ

いかがでしたか?今回は私、まるの息子の発達グレーゾーンについてお話ししました。

私はいい親ではない。息子から父親との生活を奪ってしまったし、実家との関係も疎遠にしているし。いい親ではないけれど、息子のことを幸せにしたい気持ちは世界で一番持っています。

大切だから怖い。大事だからどうしていいのか判断がつかない。そんなときがどんな親にもありますよね。そんなときは、どんな方法でもいいから、一人で悩まず打ち明けていきませんか?

誰かの目に留まったら嬉しいです。

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