と言っても、実はもう息子がサッカーを辞めたのは2023年10月のこと。
すでにそれから時間が経ち、私の気持ちも落ち着いてきたので、ADHD児のサッカー挑戦をまとめておこうと思います。
目次
結論、やってよかったサッカー
何よりまず、辞めた今思うことは、サッカーに挑戦したことは息子にとって貴重な財産になったということ。だから、やってよかったと思っています。
運動がとにかく苦手な息子。
走るのもすごく遅いし、逆上がりはもちろん、縄跳び、跳び箱、マット運動何をとっても運動で得意なものはない息子。
サッカーを始めた3年生の頃は、落ちているボール、止まっているボールを蹴るのにも数十秒かかるくらいで、練習の最初のランニングにもついていけないくらいでした。
得たものは「記憶」
そんな息子、辞めるその日まで、結局試合でゴールを決めることはできませんでした。
一部PK練習とか、練習中の試合形式練習などでは何度かゴールできたと本人は言っていましたが、他のチームとの練習試合とか公式戦でのゴールは終ぞかなうことはありませんでした。
でも、得たものはある。
それはサッカーをやっていたんだという記憶。
母である私にとっても、息子は一度は自分で決めてサッカーチームに所属したんだという記憶。
記録には何も残らないけれど、とにかく運動が苦手な息子が自分からチームスポーツにチャレンジして、2年くらいは継続したというそのことは我が家にとっても息子自身にとっても大きな財産です。結局サッカーは難しかったとも思う
だからって、別に息子のこれからの人生で、「あの時の頑張りがあれば…」みたいな、スポコン青春マンガの台詞みたいなことを言いたいわけではありません。ぶっちゃけて、記憶が残ったからって、息子はサッカーをやり切ったかというとそうでもない。(ひどいですね、すみません)
正直、チームスポーツであるサッカーはやっぱり息子には合っていなかったと思うし、正直最初から最後までチームでも浮いていました。
最後は浮いていたどころの話ではありませんでしたが、それはこの後お話します。
ですので、やってよかった。息子にも私にもいい経験になった。でも、やっぱりサッカーはあっていなかった。
それが私の今の気持ちです。
軽度ADHD児の息子がサッカーを辞めた理由
では、なぜせっかく2年続けたサッカーを辞めたのか?ということについてお話します。
直接的な理由はチーム内の人間関係
息子がサッカーチームを去る決断をした理由は、チーム内の人間関係でした。チームで圧倒的に足手まとい状態の息子。
息子は息子なりに頑張っていましたが、チームメイトからしたら、公式戦になると息子が出るイコールチームの戦力が下がるということ。どうしても面白くありませんよね。
しかも下手なくせに練習にも身が入っていないように見える。
そのくせいうことは一丁前。
どうしてもチームメイトからしたら面白くない存在だったと思うんです。
息子は息子なりに頑張っていましたが、チームメイトからのストレスを込めた厳しい声掛けが練習の度に増えるようになっていきました。
息子はそうした自分に向けられる怒りの感情や、悪口、からかいに対して受け流して放っておくことができないタイプ。
全部受け止めて、それを練習にぶつけられるならそれも良かったのですがそうではなく、ただ「あいつが嫌なことを言ってくるから嫌だ」と機嫌が悪くなってしまうんですよね。
それで練習に参加できなくなってしまったり、コートの中で動かなくなってしまったりすることが何度か続くようになりました。
チームメイトの子たちを責める気持ちはないし、息子も精一杯頑張ったと思う
そのようなことになるのは、男の子同士ならきっとあることだと思うんです。
チームメイトからしたら、試合には勝ちたい。だから、頑張ってサッカーがうまくなりたい。
その同じベクトルで集まっているチームメイトと、楽しく遊びの話なんかもしながら頑張っていきたい。
そんな気持ちだったと思うんですよ。
それが息子にはちょっとできなくて、頑張るという部分はあくまで息子なりの頑張りで、周りからは見えにくい。
チームメイトの抱えたフラストレーションも理解できるし、息子なりの頑張りも理解できる。
見ていてとても複雑な気持ちになりました。
正直、チームメイトからの息子への態度は一部、目に余るものもあって、ともするといじめと捉えることもできるほどだったんですよ。
だったら無理してチームに残るより、抜けて楽になった方がいいんじゃないかとは、辞める半年前くらいからは考えていました。コーチ陣には一部不満。でも期待すること自体が厚かましいとも思う
そのあたりって、正直練習中はコーチにコントロールして欲しかったりはしたんですけど、おそらくはコーチもうちの息子に対して面倒とか戸惑いとか。そんな感情があったんじゃないかなって思います。
息子がうまくいかないときに、声をかけてくれるコーチもいましたが、若いコーチはおそらくコーチ陣というよりチームメイトと同じような気持ちだったんじゃないかなと思います。
息子が走れないとき、止まってしまうとき、話が聞けないとき、チームの雰囲気が感じ取れないとき、そんなときにフォローに回るのではなく、「あいつ(息子)、最悪だわ~~」とか、「あいつ(息子)終わったな」なんて、私にも聞こえるような声のボリュームで言っていて、それはチームメイトだってそれでいいって思ってしまいますよね。
でも、以前の記事にも何度か書いた通り、息子が所属していたサッカーチームはクラブチームのようなところではなく、地域のお父さんたちがパパコーチとして参加しているような地域の少年団チーム。
コーチにそんな子育ての延長のような、子どもたちの気持ちの指導まで期待するのは図々しいのかもしれません。
そう思って、結局最後までそのあたりのことをコーチに相談はしませんでした。
練習に行く度、泣いてうずくまるようになってしまったのを見て、辞めさせることを決意した
そんな状況の中、息子から「チームメイトから嫌なことを言われるから、練習を見に来てその場にいてほしい」と言われ、気を付けて練習に参加するようにしていました。
私がその場にいることで、チームメイトからのからかいや悪口が軽減すると息子は思っていたようです。
確かに私はチームの中でも怖いお母さんと思われていたので(笑)、私が見ている前で堂々と息子に嫌なことは言いにくいのでしょうね。
でも、すると今度は私には聞こえない声の大きさで、耳元で嫌なことを言われるようになったようで、結局練習の後半になると毎回のように泣いて怒って、コートに入れなくなるようになりました。
そうなると、「ここまでして合わないと分かっているサッカーを続ける意味は何なのか」と私も思うようになり、まして高学年になると練習のレベルも上がり、息子は正直全くルールも理解していませんでしたから、何となく周りに合わせているだけで練習の意味も理解してはいなかったと思うんです。
それを教えてくれるチームメイトもコーチもいない。
チームメイトからも疎まれている。
それならということで、何度目かに息子が泣いてコートから出たタイミングで「もういいよ、辞めちゃおう」と声をかけたのでした。
新たに空手を始めて現在はいい感じに通っている
辞めると決めてからは話は早くて、代表のコーチの方に話をして、さっくりと「辞めますね~」と伝えて(笑)。
コーチも「いきなりどうした」と驚いていましたが、そこでいきなりとコーチが感じること自体がおかしいことでもあったので、こちらの気持ちに迷いはなく、そのままチームを去りました。息子は練習に行かなくなってから心のつかえがとれたようで、安心できるようになったようです。
うん、本当は下手でもいいから6年生まで続けて、「続けた」という自信を得てもらえたらって思っていたんです。
でも、たったそれだけのために無理して息子の心が痛んでいくのを放っておくよりも、今この瞬間の息子の気持ちを大切にしようと考えてサラッと辞めたのでした。その後、かねてから私が息子に合うのではないかと思っていた空手を習い始めました。
通い始めて息子もいい感じに楽しんでいるみたい。
道着を着るのも新鮮だし、うまくできなくても誰にも迷惑が掛かっていないのが何よりいいところ。
これからも無理なくゆっくり息子なりに頑張ってくれたらと思っています。